先月より産後から歩くと鼠径部が痛くなるという事で産後骨盤矯正をされた方がおいでました。
産後骨盤矯正は6回を終えて既に終了という事になりましたが、1回目の施術だけでかなり痛みは引いてほとんど気にならくなったそうです。
施術は単純で鼠径靭帯を手で軽く圧迫するだけです。この場所は強く押そうがさすろうが気持ちのいい場所ではありません。当然ながら骨盤も整えないと痛みはひきません。
しかし鼠径靭帯は恥骨に付着していますので男性施術者が触れる時はしっかりとお断りをしてから触れます。
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私もこの時は、多分ここの痛みが気になるんじゃないですかと押えると「ああ、そこです!」ということだったので私の施術がこの場合の痛みの改善と合っていたということになります。
鼠径靭帯の役割
●内臓の保持
鼠経靭帯は、骨盤内の内臓(特に子宮や膀胱)を適切な位置に保持する役割を果たします。これにより、内臓の安定性と正常な機能を維持することが可能となります。
●骨盤の安定性
鼠経靭帯は、骨盤の前後の部分を結ぶ結合組織です。これにより、骨盤の安定性が高まります。骨盤の安定性は、体のバランスや運動時の安定性に影響を与え、腰や骨盤周辺の筋肉の正常な働きをサポートします。
●骨盤の調整
鼠経靭帯は、骨盤の位置を適切に調整する役割も担っています。特に産後の女性では、妊娠や出産によって骨盤が変化し、骨盤の位置やバランスが崩れます。鼠経靭帯の調整により、骨盤の正しい位置とバランスを回復するケースもあります。
鼠経靭帯は外腹斜筋の下部になり、一般的にはほとんど無視されている箇所ですが、こうやってみると骨盤内の内臓の保持と安定性、骨盤の調整に非常に重要な役割を果たしていることがわかります。
これらの機能の維持と調整により、正常な姿勢や運動機能、内臓の機能をサポートする役割を果たしています。
今回は上手くいきましたが、施術で改善しない場合はどのような事が考えられるでしょうか。
鼠径痛が産後骨盤矯正では改善しない場合
●別の病状や合併症
鼠経靭帯の圧迫が原因ではなく、別の病状や合併症が痛みの原因となっている可能性があります。例えば、鼠径ヘルニアや子宮内膜症などが考えられます。このような場合、手技療法では改善は無理なので適切な診断と治療が必要です。
●炎症や組織の損傷
鼠経靭帯に炎症や組織の損傷がある場合、単純な圧迫だけでは改善しない可能性があります。炎症や組織の損傷が起きている場合は、炎症の原因や損傷の程度に応じた適切な治療や安静・回復期間が必要です。
●精神的・心理的要因
産後の女性はホルモンの変化や育児のストレスなど、精神的・心理的な負担を抱えることがあります。これらの要因が痛みの増長や不快感を引き起こすことがあります。心理的なサポートやストレス管理のアプローチが必要となる場合もあります。
以上の要因は、産後の女性で鼠径部の痛みが改善しない場合に考えられる一般的な要素です。ただし、具体的な症状や状況に応じて、個別の評価と診断が必要となります。痛みが続く場合には、専門の医師に相談し、適切な評価と治療を受けることが重要です。
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